鼻整形のプロテーゼ選び。素材別の特徴や既製品シリコンとオーダーメイドの違いを徹底解説

鼻筋をスッと整えたいと考えたとき、多くの方が最初に検討するのがプロテーゼによる隆鼻術です。
しかし、昨今では様々な種類や素材のプロテーゼを見かけることも多く選ぶ際に迷ってしまう方も少なくないと思います。
今回は、プロテーゼの種類から、既製品とオーダーメイドの構造的な違いまで分かりやすく解説します。
本記事は、統括院長であり形成外科専門医の室孝明医師が監修しております。
【人工物】鼻整形で鼻筋をつくる素材の特徴一覧
ここでは、簡易的にそれぞれの素材についてメリットとデメリットをまとめてみました。
それぞれの素材の詳細については、この後の各見出しで詳しく解説します。
| 素材 | メリット | デメリット |
| I型シリコン | 細くシャープな鼻筋を作れる。費用を抑えやすい。 | 骨格との隙間が生じやすく、輪郭の浮きや石灰化のリスクがある。 |
| L型シリコン | 1つの素材で鼻筋と鼻先を同時に高くできる。皮膚が厚く下垂気味の人に向く。 | 鼻先の皮膚に強い負担がかかりやすい。骨格とのズレによる石灰化リスクがある。 |
| ゴアテックス | 組織と癒着して動かないため石灰化しにくい。自然な鼻筋を作りやすい。 | 抜去が難しく、感染率がシリコンよりやや高め。術後しばらく透けやすい。 |
| 吸収性の素材 (ヒアルロン酸・糸など) |
メスを使わずダウンタイムが短い。手軽に試せる。 | 完全に吸収されず体内に残存することがある。 |
|
オーダーメイドプロテーゼ |
既製品そのままよりは骨へのフィット感が高まる。 | 骨を直接見て削るわけではないため限界があり、医師の技術差に左右される。 |
| オーダーメイドプロテーゼ (カスタムオーダー) |
CTデータに基づき骨(裏面)への密着度が非常に高い。納期が約2週間と早い。 | 既製パターンからの設計のため、外見の微細なデザイン調整に制約がある。 |
| オーダーメイドプロテーゼ (フルオーダー) |
骨格模型から手作業で削り出すため骨への密着や希望のデザインを完全に再現できる。 |
作成に時間と手間がかかり、費用も他のプロテーゼに比べて高額になる。 |
既製品シリコンプロテーゼの特徴とメリットとリスク

既製品プロテーゼには、主にI型とL型の2種類の形状が存在します。
I型は鼻根部から鼻背部にかけての鼻筋のみを高くする棒状の素材です。
一方のL型は、鼻先から鼻柱にかけて下向きの足がついており、鼻先を同時に持ち上げることができます。
| I型シリコン | 鼻筋のみを高くする |
| L型シリコン | 鼻筋と鼻先を高くする |
既製品シリコンのメリット
既製品シリコンの大きな魅力は、治療費用を抑えつつ細く通った鼻筋を目指せる点にあります。
費用をできるだけ抑えたい方で、既製品で効果がでる場合には、有力な選択肢のひとつとなります。
知っておきたい既製品シリコンのリスク
既製品プロテーゼを検討する際は、輪郭が浮き出るリスクや長期的な石灰化の可能性を想定しなければなりません。
誰にでも合うよう作られた規格品は、個人差の大きい骨の凹凸と完全に一致しないためです。
手軽に高さを出せる反面、骨格との不一致による見た目の不自然さや将来的な組織反応への配慮が必要です。
L型シリコンは本当にNG?適応する人の特徴とメリット
インターネット上では敬遠されがちなL型シリコンですが、条件が合致すれば非常に大きなメリットをもたらす選択肢となります。
鼻筋だけでなく鼻先にもアプローチできる構造を持ち、単一の手術で効率よく変化を出せる特性があるからです。
特に、元々鼻先の皮膚が厚く、鼻先が下垂気味(垂れ下がっている)の方にはフィットする場合があります。
シリコン以外の素材(ゴアテックスや吸収性素材)との比較
鼻筋を整える素材には、シリコン以外にもゴアテックスや体内に吸収される素材が存在します。
ゴアテックスの特徴

ゴアテックスの特徴
・既製品シリコンと比べて細かいデザインが可能
・フルオーダーメイドよりも安価
・体内で動きにくく石灰化が起きにくい
・シリコンと比べて抜去しにくい
・シリコンと比べて感染率が高いとされている
ゴアテックスは心臓血管外科でも用いられる生体適合性の高い素材で、微細な孔を持つシート状の構造が特徴です。
周囲の組織に入り込んで癒着するため、体内で動くことがなく石灰化が起きにくいとされています。
しっかりと固定される反面、将来的に抜去したい場合にシリコンよりも抜去しにくく、また感染の可能性が若干高い傾向があります。
素材自体の白さが皮膚を通して透け、術後しばらく鼻筋が赤く見えやすい点も事前に知っておくべき要素です。
溶ける糸やヒアルロン酸
メスを使わないヒアルロン酸注入や糸は、ダウンタイムが短く気軽に受けられる施術です。
吸収性の素材であるため、初めて鼻の施術を試してみたい方には敷居が低い選択肢となります。
体内に完全に吸収されると説明されがちですが、繰り返し過剰に注入すると芯の部分が溶け残るケースがあります。
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なぜ、既製品シリコンプロテーゼでトラブルが起きるのか
鼻の骨は複雑な曲線。直線的な既製品との間に生じる隙間
人間の鼻の骨は、誰一人として同じではない複雑な曲線で構成されています。
直線的に作られた既製品を乗せると、どうしても微小な隙間が生まれてしまいます。
このわずかな隙間こそが、術後のズレや不具合を生む根本的な要因となります。
摩擦と長期的な刺激が引き起こす石灰化
鼻骨とプロテーゼの間に隙間があると、表情を作るたびに素材が微動して慢性的な刺激を与え続けます。
時間の経過とともにプロテーゼの裏側に白いカサブタのような硬い組織が形成され、触れた際の凹凸感や変形につながる場合があります。
医師の技術が問われる挿入層
石灰化やプロテーゼのグラつきを防ぐためには、挿入する深さのコントロールも重要です。
鼻骨を覆う硬い膜である骨膜の下に収めることで、素材を骨にしっかりと固定できるためです。
骨膜の上は空間を確保しやすく短時間の手術が可能ですが、素材が皮下で動きやすく石灰化のリスクを高めます。
高い解剖学的知識を持つ医師のもとで、骨膜下へ確実に挿入してもらうことが安全性を担保する鍵です。
オーダーメイドプロテーゼは1つじゃない?それぞれの特徴と違いとは
1. 既製品を手作業で削るタイプ
特徴
・既製品のシリコンを使用する
・医師がメスやハサミで骨の形に寄せる
・既製品シリコンより密着度が高まる
・自身の骨の形にピッタリと合うわけではない
1つ目は、医師が既製品のシリコンをハサミやメスで削り、骨の形に寄せていく手法です。
既製品のシリコンをそのまま挿入よりは密着度が高まります。
しかし、実際の鼻骨を直接目視しながら削れるわけではないため、微細な曲線を完全に再現するには限界があります。
2. パソコンで設計するカスタムオーダーメイド
特徴
・データを元にコンピューター上で設計
・作成までの時間が短い
・骨に対する密着度は非常に高い
・鼻のデザインの自由度が低い
2つ目は、事前のCT検査データをもとにコンピューター画面上で設計するカスタムオーダーメイドです。
業者へデータを送るため、約2週間程度という短期間で納品される傾向があります。
データと正確に一致させるため、骨に対する密着度は非常に高くなりますが、細やかなデザイン調整においては制約が生じることもあります。
3. 骨格模型から手作業で作り込むフルオーダーメイド
特徴
・骨格模型を作成し手作業で削り出す
・骨への密着度が非常に高い
・鼻のデザインを細かくこだわることが可能
・より自然な仕上がりにすることが可能
・作成に時間を要する
3つ目は、患者様の骨格模型を作成し、手作業で削り出すフルオーダーメイドです。
立体の模型上で直接感触を確かめながら削ることで、骨へのフィットと外側の美しさを両立できるためです。
眉間から鼻先にかけての繊細なカーブや段差の解消まで、極限まで突き詰めた加工が行われます。
手間と作成期間を要するものの、最も自然で安定した仕上がりを追求できる手法です。
ビスポーククリニックで行っているオーダーメイド鼻整形とは
対話と3Dシミュレーションから始める、顔全体のトータルデザイン

当院では、手術前の時間をかけたカウンセリングと3Dシミュレーションシステム「ベクトラ」の活用を徹底しています。
専用カメラでお顔を撮影して立体画像を作成し、額や顎先との位置関係、横顔のEラインをあらゆる角度から検証します。
患者様と医師との間で仕上がりイメージのズレをなくす、入念なすり合わせが、納得のいく結果を導きます。
独自開発のテンプレートによるデザインとのズレを防止

シミュレーション通りの仕上がりを手術で正確に再現するため、独自開発のテンプレートサージャリーを導入しています。
術前に作成した理想の立体デザインを型として作成して、手術中に実際の鼻に合わせて確認しながらミリ単位で微調整を行う手法です。
この手法を組み込むことで、組織の腫れや後戻りまで計算に入れた精緻な手術を可能にしています。
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骨格模型から手作業で創り出す、完全フィットのプロテーゼ

鼻筋に使用するシリコンプロテーゼは、CTデータから再現した模型を用いて手作業で削り出します。
既製品や画面上のみの設計では補いきれない、骨表面の細かな凹凸や眉間の柔らかなカーブに密着させるためです。
模型上で直接感触を確かめながらエッジを極限まで薄く滑らかに整え、段差や浮き上がりを徹底して排除します。
土台である鼻骨との隙間をなくして摩擦を抑えるアプローチが、長期的な安定と自然な仕上がりをもたらします。
術後も長期間サポートするアフターケア体制
鼻の手術はダウンタイムの経過とともに組織が引き締まり、最終的な完成までに時間を要します。
術後数日から1週間、2週間、1か月、3か月、半年、1年という定期的な検診サイクルを設け、組織の回復や後戻りの有無を細かく確認します。
万が一の違和感や不安にも迅速に対応できる診療環境を用意し、長期間にわたって安心して過ごせるサポートをお約束しています。
このコラムのまとめ
既製品は費用面で優れますが、隙間による浮き出や石灰化のリスクを伴います。長期的な安心と自然さを求めるなら骨格に沿った素材設計が欠かせません。
オーダーメイドでも手法によって仕上がりや密着度に大きな差があります。骨格へのフィット感や将来のリスクまで誠実に説明してくれる医師を選びましょう。
ビスポーククリニックでは骨格模型を用いた完全オーダーメイド鼻整形を行っています。当院のこだわりについては、こちらをご覧ください。
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