「諦めていた傷跡」は変えられる。 形成外科専門医が教える、傷跡を“目立たなくする”ための設計図

手術やケガのあとに残ってしまった「傷跡」。
時間が経てば消えると思っていたのに、いつまでも赤みが引かなかったり、盛り上がってしまったり……。
鏡を見るたびに憂鬱な気持ちになり、「もう治らない」と諦めている方も少なくありません。
しかし、傷跡は適切な治療を行うことで、今よりもずっと目立ちにくい、自然な状態へ整えることが可能です。
私たち形成外科医は、皮膚の構造や治癒のメカニズムを熟知したうえで、傷跡そのものを“デザインし直す”というアプローチで治療を行います。
今回は、なぜ傷跡が目立ってしまうのか、そして形成外科専門医(=傷跡のプロ)はどうやってそれを治すのか、その秘密をお伝えします。
なぜ傷跡は残るのか?
皮膚は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の層になっています。
• 表皮(浅い層)の傷: 再生能力が高く、元通りに近い形で綺麗に治ります。
• 真皮(深い層)の傷: 組織を「修復」して治すため、必ず何らかの跡が残ります

手術などで真皮まで切開した場合、傷跡を完全に「ゼロ」にすることは医学的に不可能です。
だからこそ重要になるのが、「いかに人間の目で見て『傷』として認識されないようにするか」という技術です。
専門医のテクニック①:目の錯覚を利用する
目立つ傷跡には、いくつかの共通点があります。その代表例が「シワの流れに逆らっている直線的な傷」です。 人間の目は直線を認識しやすいため、皮膚の自然なシワ(皮膚割線)に逆らう直線は、どうしても悪目立ちしてしまいます。
そこで私たちが用いるのが、錯視効果(目の錯覚)を利用した「W形成術」です
W形成術では、一直線の傷をあえてジグザグ(W字状)に切り直し、縫合します。

一見、傷が長くなるように思えますが、これには大きなメリットがあります。
・光の反射を分散させる: 直線特有のテカリや影を消します。
・シワに紛れ込ませる: ジグザグの線が皮膚のキメやシワになじみます。
結果、脳が「傷がある」と認識しづらくしています。
このように、単に縫うのではなく、「人の目にどう映るか」まで計算し尽くすのが、形成外科的なアプローチです。
専門医のテクニック②:数年後を見据えて「あえて盛り上げて縫う」
もう一つ、傷跡が目立つ原因に「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」があります。傷が赤く盛り上がり、ミミズ腫れのような状態になることです。
これは、傷を引っ張る力が常に加わる場所(関節や、よく動く口周りなど)で、体が「傷が開かないように!」と頑張りすぎて、コラーゲンを過剰に作ってしまうために起こります。
そこで当院では、将来的な経過を予測し、あえて傷のふちを少し盛り上げて縫合することがあります。

手術直後は少し盛り上がって見えますが、これが傷跡を綺麗に治すためのポイントです。
皮膚が引っ張られる力に対して、貯金を作っておくようなものです。時間が経ち、傷が落ち着く頃にちょうど平らになるように設計しています。

《症例写真詳細》
20代/女性/治療回数1
◆施術名
眉間プロテーゼ(オーダー) ¥440,000
他院隆鼻入替(オーダー) ¥605,000
鼻中隔延長(肋軟骨) ¥660,000
他院修正 ¥110,000
鼻骨骨切り幅寄せ ¥660,000
鼻尖縮小 ¥330,000
◆リスク・副作用
腫れ、内出血、感染、左右差、鼻の曲がり、ひきつれ 等
※その他のリスク・副作用については手術申し込みの際に詳しくお伝えいたします。
※トラブルが生じた場合、適宜対応いたします。
※効果には個人差がございます。同様の効果を保証するものではありません。
「手術直後がきれいかどうか」ではなく、「半年後、数年後にベストな状態になるか」。 これが、私たちが最も大切にしている視点です。
症例解説|なぜ、その傷は治らなかったのか?
傷跡形成術は、文章だけでは伝わりにくい高度な治療です。 実際の症例写真とともに、「なぜ目立ってしまったのか」「当院はどう治したのか」、その思考プロセスをご紹介します。
他院の人中短縮術後の傷跡修正
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【患者様のお悩み】
他院で人中短縮術(鼻の下を短くする手術)を受けられましたが、傷跡の幅が広がり、赤く目立ってしまっている状態でした。
【原因の分析】
鼻の下や口周りは、会話や食事で常に動くため、傷に強い力がかかりやすい部位です。 この症例では、表面の皮膚だけを切り取って雑に縫合し、内側の処理が不十分だった可能性がありました。そのため、重力や表情の動きに耐えきれず、傷が徐々に引き伸ばされてしまったのです。
【当院の治療戦略】
単なる縫い直しでは同じ結果になります。そこで当院独自の「MLA法」を用いました。 皮膚表面だけでなく、唇の裏側(口腔側)や筋肉層からしっかりと持ち上げ、傷にかかる負担を深部で支える処理を徹底しました。 後戻りしようとする力や重力を計算に入れた「多層的な固定」を行うことで、傷跡の幅が広がらないよう再構築しました。
《症例写真詳細》
20代/女性/治療回数1回
◆施術名
上口唇短縮術:495,000円
ボトックス注入:33,000円
他院修正費:110,000円
傷跡修正:137,500円
◆リスク・副作用
傷跡の段差・凹み、鼻の穴や小鼻の左右差、鼻下が短すぎると感じる 等
※その他のリスク・副作用については手術申し込みの際に詳しくお伝えいたします。
※トラブルが生じた場合、適宜対応いたします。
※効果には個人差がございます。同様の効果を保証するものではありません。
感染・変形による鼻先の傷跡修正と再建

【患者様のお悩み】
他院で複数回の手術を受け、さらに感染を起こしたことで、鼻先がボコボコと変形してしまったケースです。
【原因の分析】
感染後の鼻先は、組織が硬くなり(拘縮)、血流も悪くなっています。非常に難易度が高く、安易に手を出すと皮膚が壊死するリスクさえある状態でした。
【当院の治療戦略】
まずは半年間の待機期間を設け、炎症が完全に落ち着くのを待ちました。 手術では、硬くなった組織を丁寧にほぐした上で、凹んでしまった部分には「真皮脂肪移植」や「軟骨移植」を行い、欠損した組織を補填。 さらに、表面の傷跡はW形成術で目立たない形に再設計し、鼻の穴の形も「鼻孔縁挙上術」でバランスを整えました。 失われた組織を補い、形を作り直し、最後に傷跡を目立たなくする。 「修正」というよりは、鼻そのものを「再建(作り直す)」する覚悟で臨んだ症例です。

現在では、日常生活でほとんど気にならないレベルまで改善しています。
《症例写真詳細》
20代/女性/治療回数1回
◆施術名
鼻尖修正術(他院鼻尖、鼻中隔後耳介軟骨+真皮脂肪+脂肪注入):¥880,000
鼻孔縁挙上+肺軟骨除去:¥440,000
他院修正費:¥110,000
ボトックス注射:¥33,000
◆リスク・副作用
腫れ、内出血、感染、鼻の穴や鼻孔縁の左右差 等
※その他のリスク・副作用については手術申し込みの際に詳しくお伝えいたします。
※トラブルが生じた場合、適宜対応いたします。
※効果には個人差がございます。同様の効果を保証するものではありません。
傷跡治療で大切なのは「経験」と「設計力」
傷跡形成術は、単なる「縫い直し」ではありません。 皮膚の解剖学、傷が治る生理学、重力や張力の物理学、そして見た目の美しさ。これらすべてを総合的に判断する、極めて高度な治療です。
だからこそ、「誰が執刀するか」で仕上がりは大きく変わります。
形成外科専門医は、何千何万という傷と向き合い、「どう縫えば、どう治るか」を知り尽くしています。
もし、あなたが「もう治らない」と諦めている傷跡があるなら、一度私たちにご相談ください。
その傷跡にとってのベストな答えを、一緒に見つけ出しましょう。
ぜひ一度、ビスポーククリニックのカウンセリングにお越しください。
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