鼻翼基部プロテーゼ挿入術
鼻翼基部プロテーゼ挿入術について
小鼻の付け根の部分を鼻翼基部といい、特にアジア人は鼻翼基部が陥没している場合が多くみられます。
この位置が低い場合は、顔全体が平面的でメリハリがない印象を与えます。また、ほうれい線が深く見える原因になることもあり、コンプレックスに感じる方もいらっしゃいます。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術は、その部位にシリコンプロテーゼなどを挿入し凹みや陥没を整形する手術です。
韓国では「Nobility Surgery」と呼ばれており、そこから日本でも「貴族手術」と言われています。
鼻翼基部が持ち上がると中顔面に立体感が出て短く見え、法令線の凹みや口元の突出した印象も緩和され、口元の印象を上品で柔らかいものにすることができます。
ヒアルロン酸で同様の効果を狙うこともありますが、塞栓のリスクが高いこと、プロテーゼ程は効果を出せないこと、長持ちしないことが欠点です。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術に向いているタイプ
- 顔の中央、特に法令線が目立って凹んでいる方
- 外人顔になりたい
- 口元が目立つ
- 小鼻を少し広げたい
鼻翼基部プロテーゼ挿入術のポイント
鼻翼(小鼻)のつけ根や鼻柱(鼻の穴と穴の間)の付け根が頬に食い込んでいる場合、口元が出っ張っているように見えてしまうことがあります。 その場合、口腔内からアプローチし小鼻の付け根にプロテーゼを挿入することで、立体的で華やかな顔立ちに見せることができます。
1,ご自身の骨格に合わせて完全なオーダーメイドシリコンプロテーゼを使用する方法
2.胸の軟骨を利用して異物を使わずに行う方法
3,既製品のシリコンプロテーゼを加工する方法 (当院ではあまり行いません)
があります。
どの方法で行っても効果は変わりませんが、3に比べて1はご自身の骨格にぴったりフィットする為、骨の吸収が少なくお勧めです。2は異物を使いたくない方にお勧めです。
術後、上口唇がやや上がりにくくなるので笑うときに違和感や、笑顔が不自然に感じることがあります。年月とともに慣れる方が多いですが、違和感が強い場合はプロテーゼの抜去手術を受ける方もいらっしゃいます。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術の詳細
口腔内または鼻孔内に1〜1.5mmの切開を行い、鼻翼や鼻柱の付け根を骨から剥がしてプロテーゼを創周するポケットを作成します。 位置やずれが無いことを確認・調整してプロテーゼを挿入し縫合します。
仕上がりのイメージを画像シミュレーションで確認することで、より理想的な鼻のカタチへ
当院では、自然で目立たない鼻のデザインがご自身の顔に合っているかどうかを、より正確に確認するため3Dシミュレーションで体感していただけます。
また、丁寧かつ綿密にカウンセリングを行い、患者様がどんなことを求めているかをしっかりヒヤリングします。
「なりたいイメージ」をしっかりキャッチし、医師と患者様のギャップをなくすことがよい結果への近道と考えます。
※イラストはイメージです。※効果には個人差がございます。
医師コメント
鼻翼基部プロテーゼ挿入術
上野 佐知医師
上野 佐知医師
鼻翼基部とは、小鼻の付け根にあたる場所です。その部分が凹んでいると、ほうれい線が深く見えてしまいます。その場合、まずはカウンセリング時に口の中から綿棒で凹んでいる部分を持ち上げてシミュレーションしてみます。それが、理想に近いイメージでしたらプロテーゼ挿入でコンプレックスを解決できる可能性があります。
小鼻の付け根の凹みを改善することで、前方向に立体感が生まれ、結果的にお顔立ちに立体感が出せます。
デメリットとして、小鼻が広がって見えることがあります。また、笑った時など表情が変わるときに違和感があるためプロテーゼを抜きたいといわれる方がいらっしゃいます。そのため、診察で骨格の状態や筋肉の状態を確認し、オーダーメイドで患者様一人ひとりに適合したプロテーゼを作成し、ご満足いただける仕上がりへ導きます。
麻酔方法
- 局所麻酔
- 笑気ガス麻酔
- 静脈麻酔+ラリンゲルマスク麻酔
- 全身麻酔
ダウンタイム・術後経過
ダウンタイム
※個人差があります。
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腫れ
約2〜3日目をピークに約7〜10日間程で目立つ腫れは引いていきます。 内出血や感染症になった場合は、腫れが長引く事もあります。
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内出血
細かい血管が傷つくと、皮膚の下で出血し鼻の周りが紫色や緑色になりますが、1〜2週間で消失します。
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抜糸
2週間(口腔内、鼻孔内)
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通院
翌日〜3日目・1週間目・2週間目
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メイク
当日から可能です。
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洗顔
翌日から可能です。
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入浴・シャワー浴
シャワー浴は翌日から、入浴はドレーン抜去後可能です。
経過
※手術後は腫れやむくみがあり、ご希望と異なると感じることがありますが、しばらくお待ち頂くことでご希望通りに落ち着きますのでご安心ください。
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傷
・口の中、鼻の中の傷の為外から見える傷はありません。
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浮腫み
腫れが引いた後もむくみがしばらく続きます。その間、鼻の下が長く見えたり、話したから上唇院かけて厚みを感じたり、小鼻が広がって見えたりすることがありますが、 時間の経過と共に落ち着き、4〜6ヶ月程経つとすっきりと見えてきます。
手術後に起こりうるトラブル
※トラブルが生じた場合、適宜対応いたします。
- 感染(化膿する)
- 血が溜まる
- 傷口が開く
- 糸が出てくる
- プロテーゼのずれ
- プロテーゼの違和感・異物感
- 鼻の穴や小鼻の左右差
- 小鼻が広がって見える
- 鼻尖が上向きに見える
- 上口唇を持ち上げにくい
- プロテーゼの飛び出し
- 上唇の感覚麻痺
- 陥没の改善が少ない
- 膨らみすぎる
- 喫煙について
- 喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。 術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
料金
※保険適用外の自由診療です。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術 | ¥330,000 |
オーダープロテーゼの場合+¥170,500 |
※価格は全て税込です。
鼻翼基部プロテーゼ挿入術のよくある質問
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傷は出来ますか?
傷ができるのは鼻腔内又は口の中のため、外見上の傷は目立ちません。
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手術後にプロテーゼがずれることはありませんか?
プロテーゼを挿入する箇所は鼻骨の骨膜下です。術後はしっかり固定をしますので、挿入後プロテーゼが動いたりずれたりする可能性は低いです。 ただし、プロテーゼが鼻の横の上顎の骨の傾きにそってすべってしまう、あるいは、上口唇や頬の表情筋の動きによって押されることにより、プロテーゼの位置がずれてしまうことがあります。 手術中にプロテーゼのズレが懸念される場合は、皮膚表面まで糸を通して約1週間固定する事があります。それでもズレが起こることはありますので、その際は口腔内を切開して、鼻の横の上顎の骨にドリルで穴を開ける、もしくはスクリューを使用して固定します。
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プロテーゼを挿入した後、鼻を触った感触に不自然さはないですか?
プロテーゼは別名「人工軟骨」と呼ばれ、軟骨とほぼ同じ硬さで出来ています。プロテーゼ自体の感触も非常に自然です。骨膜や皮膚に覆われる位置に挿入するため感触の不自然さはほぼないと思っていただいて良いと思います。
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プロテーゼは将来的に入れ替える必要はありますか?
術後にご希望のデザインが変わったり、感染が原因で抜去された場合は入れ替えの必要がありますが、それ以外の場合は入れ替える必要はありません。
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プロテーゼが入ることによる違和感や異物感はないですか?
術後、プロテーゼとはつまり異物ですので、それが入ることにより違和感や異物感を感じることがあります。通常は、時間の経過と共に軽減していきます。およそ半年程は経過をみて頂く必要がありますが、それでも気になる場合には抜去させて頂きます。
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鼻の穴や小鼻に左右差が生じることはないですか?
鼻にもともと左右差がある場合や、挿入したプロテーゼの位置がずれることにより、小鼻や鼻の穴の形に左右差が生じることがあります。 プロテーゼの位置のズレ、プロテーゼの曲がりによる左右差の場合には、修正させて頂きます。ただし、プロテーゼの位置を修正しても完全に左右対称にならないことがあります。あらかじめご理解下さい。
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小鼻が広がって見えることはありませんか?
表情筋の力が強く小鼻が横に引っ張られるタイプの方は、小鼻を骨からはがしただけで横に広がることがあります。また、プロテーゼによって小鼻のつけ根が前方に押し上げられることで、横に広がる可能性があります。 その場合、プロテーゼを小さいものに入れ替えるか抜去しますが、鼻翼のつけ根の凹みが元のように深くなることがあります。また、表情筋によって小鼻を横にひっぱる力が強い方は、プロテーゼを抜去しても広がった小鼻が元通りには戻らないことがあります。
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上唇を持ち上げにくいと感じることはないですか?
プロテーゼを入れる際には、上唇を持ち上げる筋肉を骨からはがすため、上唇が上がりにくくなり、笑いにくい、表情が作りにくくなると感じる場合があります。 時間の経過と共に慣れてきますので、改善されていきますが、およそ半年程経過をみて頂く必要があります。その程度時間が経過しても改善されないと感じる場合には、ご希望によりプロテーゼの抜去、あるいは小さいプロテーゼへの入れ替えを行います。
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麻酔は何を使用しますか?
局所麻酔、笑気ガス麻酔、静脈麻酔+ラリンゲルマスク麻酔、全身麻酔と様々な麻酔方法をお選びいただけます。ご希望をお伺いし、身体へのご負担を考慮し、最適な麻酔方法をご案内させて頂きます。
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ダウンタイムはどのくらいですか?
目立つ腫れは、約2~3 日目をピークに約7 日~10 日間程度でひいていきます。 その後、むくみがしばらく続きます。その間は鼻の下が長く見える、鼻下から上唇にかけて厚みを感じる、小鼻が広がって見えるということなどがありますが、時間の経過と共に落ち着いていきます。