コラム
【婦人科形成手術後】痛み・ダウンタイムや・正しいケアをご紹介!具体的な過ごし方とは?
婦人科形成(女性器形成、デリケートゾーン)の手術と聞くと、「すごく痛そう…!」と想像する方も多いのではないでしょうか?
実は女性器というのは妊娠出産でダメージがある前提でつくられており、修復が早く、他の手術よりも比較的傷口の治りが早い箇所です。(出産で会陰を切ることもありますよね)
ただ、お顔の手術に比べると厚ぼったいなと感じる地味な腫れがしばらく続きます。
デリケートな部分のため情報も少なく、実際のダウンタイムはどのくらいなのか?いつ頃から仕事やいつも通りの生活が可能なのか?など気になる方も多いのではないでしょうか?
今回は手術を受けられる患者様が術後快適にお過ごしいただけるよう、具体的な婦人科形成手術後の過ごし方をご紹介します。
目次
婦人科形成手術後の痛みやダウンタイムは?
痛みのピークは3日。不安な方は、局所麻酔「エクスパレル」がおすすめ
痛みと腫れのピークは人によって違いはありますが、大体は約3日ほどです。
特に、排せつ時や長時間座った姿勢でいると痛みを感じることが多いです。
痛みを感じるときは鎮痛剤を服用するなどしてコントロールしてあげるといいですね。
また、
・できる限りダウンタイム中の痛みを少なくしたい…
・痛いのが苦手で手術をためらっている…
という方には、「エクスパレル」という局所麻酔をお勧めしています。
手術後にエクスパレルを注入しておくと、3日間痛みを抑えることができる優れモノです。
エクスパレルとは、FDAにより医薬品として認証を受けていて、これまでに使用した患者様は、米国で700万人以上(2020年現在まで)に上ります。
有効成分をリポソームと呼ばれるナノカプセルに含有する事で少しずつ薬剤が放出され、術後約72時間(3日間)痛みを軽減させる持続効果が報告されています。
(一般的な局所麻酔は術後3~4時間で切れてくるといわれています。)
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◆未承認医薬品、入手経路等の明示
国内においては未承認ですが、2011年米国FDAの承認を得ております。
治療に用いる医薬品は医師の判断の元、「医師等の個人輸入」により適法な輸入許可を得ております。
◆リスク・副作用
・18歳以下の方、妊娠中の方、エピネフリンアレルギーの方、肝臓疾患のある方は使用できません。
・稀に腫れ、赤み、発熱などが生じる場合があります。
◆費用
1cc(上限20cc)¥22,000
患部を清潔に保つことが大切
もともと血流が多く出血しやすい場所なので、数日間はある程度(じんわりにじむ程度)の出血があります。
手術部位の清潔を保つため、ナプキンの装着を推奨しており、衛生環境を保つため頻繁にお取替え下さい。
ただし、出血は2~3日で落ち着いてきて、1週間もたてば気にならなくなります。
腫れが引くまでは、半年〜1年ほど(個人差があります)
2~3週間ほどで明らかな腫れや傷口が治りますが、生活に支障がない程度の少し厚ぼったい感じが半年ほどあります。
また、傷が治る過程で手術をした場所が一時的に硬くなることがあります。
例えば、腕や足にけがをした時、瘡蓋ができ皮膚が一時的に硬くなりますよね?それと同じです。
最初はびっくりするかもしれませんが、経過とともにやわらかくなってきますのでご安心ください。完全にすっきりとなるのは半年~1年ほどかかります。
通常は上記のように問題なく過ごしていただけることがほとんどですが、
・ショーツににじみ出るくらい出血している
・手術箇所がパンパンに腫れている
などがある場合は、通常の経過と異なる場合がありますので、手術を受けたクリニックにお問い合わせください。
術後は個人差はあれど多少痛みや腫れはありますので、我慢しすぎないように不安なことがあればすぐに相談できるクリニックを選ぶことも大切ですね。
傷口の治りを綺麗にするために
当院は溶ける糸を使用しますが、傷口の治りを綺麗にするために約2週間後に抜糸を行います。(溶ける糸は溶けない糸より柔らかいのでチクチクせずに比較的快適に過ごしていただけます)
元々修復能力が高い部位のため、術後の傷口は綺麗に仕上がります。
婦人科形成手術後の具体的な過ごし方
婦人科形成手術後に気を付けていただきたいポイントは大きく分けて2つ!
①清潔に保つこと
②無理をしないで安静に過ごすこと
です。
また、術後何日から日常生活に戻れるかおおよその目安もお伝えしていきます。
手術箇所を清潔に保つ
お手洗いに行かれた際は、乾いたトイレットペーパー を使うよりもウエットティッシュや清浄綿などで拭き取っていただく方が、患部への負担が軽減されます。
拭き取るときは、ゴシゴシせずに優しくポンポンと拭いてあげてくださいね。
さらに、手術部位を清潔に保つ為に、ナプキンは頻繁に取替えるようにしてください。
ウォシュレットを使用する場合は、術後1週間程度は水圧を弱めに設定するようにしてください。
シャワー(石鹸やボディソープ含む)は翌日からの使用はOKです。ただし、傷口は擦らないように注意が必要です。
無理をしないで安静に過ごす事
手術当日は、術後1時間程度止血のためにクリニックでお休みいただきます。
医師が術後の状態を確認後、問題なければ当日ご帰宅いただけます。
たまに、「思ったよりも痛みがない!」と、手術後お買い物をされて帰る患者様がいらっしゃいますが、手術当日の長時間の歩行はできる限りお控えください。
階段の上り下り程度であれば問題ありませんが、無理をせずにエスカレーターやエレベーターのご利用がおすすめです
また、お仕事の内容にもよりますが、デスクワークなどであれば手術翌日から仕事復帰が可能です。
ただし、安静に過ごすことで傷の回復が早くなることから、できれば2~3日はお仕事をお休みされることをお勧めしています。
日常生活への復帰の目安
・入浴に関して
シャワー浴は手術の翌日から可能ですが、湯船への入浴は注意が必要です。
湯船につかることで全身の血行が良くなり手術箇所の腫れが長引く可能性があります。また、浴槽内は目に見えない雑菌が多く、感染のリスクも高まります。
術後2週間頃から様子を見てご入浴ください。
また、サウナや温泉に関しては不特定多数が入ることと2週目に抜糸することの2点から術後1ヶ月を過ぎてからが安心かと思います。
・自転車やバイク
患部へ負担をかけてしまうことから、自転車やバイクなどまたがる乗り物は術後3週間は控えるようお願いします。
・飲酒、喫煙
飲酒や喫煙は、血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。 術前2 週間前~術後1 ヶ月ほどは控えてください。
・性行為
性交渉については2週間後から可能ですが、傷口の状態にもよるため、しばらくはお休みしていただく方が安心かもしれません。
一人で悩まずに気軽に相談を
女性器のトラブルやお悩みは相談が難しいデリケートなものですが、多くの方が悩まれているものでもあります。婦人科形成手術は、基本的に入院の必要はなく日帰りで受けることができるため、一人で悩まずに、お気軽にご相談下さい。
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