ケナコルト(ステロイド)注射 傷跡修正
ケナコルト(ステロイド)注射 傷跡修正に向いているタイプ
- 手術後、傷跡が赤く盛り上がって目立つ
- 手術や事故等の後遺症で赤く盛り上がった傷跡がある
ケナコルト(ステロイド)注射 傷跡修正のポイント
手術を行う場合、通常であれば術後1週間前後で抜糸を行い、徐々に傷跡が目立たなくなっていきます。一旦、落ち着いたはずの傷跡が赤く盛り上がっていくことがあります。これは傷が回復していく過程で、線維組織が過剰に生産されて表面に目立ってきた症状です。この症状を「ケロイド」と「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」に大別されます。
「肥厚性瘢痕」は、そのまま放置しても半年から1年ほどで平らになっていきます。反対に稀に、平らになっていかず広がっていくことがあり、これが「ケロイド」です。しかし、肥厚性瘢痕とケロイドをはっきりと区別することは困難です。
治療方法は、内服薬、ステロイド軟膏、圧迫療法、テープ療法、ステロイド注射、手術療法など症状によって様々ですが、ステロイドの持つ線維芽細胞を抑制する作用・抗炎症作用・血管収縮作用によって、治療効果を上げているといわれています。
症状によって治療方法も変わりますので、医師にご相談ください。
当院が推奨するステロイド注射
トリアムシノロンアセトニドというステロイド剤を含む製剤です。ステロイド剤の抗炎症作用とコラーゲン産生を抑える目的で患部に直接注射します。
効果は期待できますが、効果が強すぎると傷跡やケロイドの周囲がくぼんだり、血管拡張が起こることもあるため、注入量、注入回数には細心の注意を払って行います。
・製造元:ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
・認可:厚生労働省
ケナコルト(ステロイド)注射 傷跡修正の詳細
手術後、傷跡がケロイドのように赤く盛り上がって目立つ場合に対して、ステロイド(ケナコルト)注射で傷を平らにさせる治療です。
傷跡の盛り上がりを平らにさせることを目的とした治療です。傷跡を完全になくすことはできません。その旨ご理解下さい。
医師コメント
線維芽細胞の活動を抑えるケナコルト(ステロイド)注射
上野 佐知医師
上野 佐知医師
ケロイドと肥厚性瘢痕はどちらも線維芽細胞が活発になったために引き起こる症状です。しかし、ケナコルト(ステロイド)注射を打つことで、その活動を抑えることができるため、症状を抑制することができます。
肥厚性瘢痕はそのままにしてもいずれ治まりますが、増えすぎたコラーゲン繊維による傷跡の盛り上がり自体は残る場合があります。また、初期はケロイドとの判別は難しく、ケロイドの場合は放置していると広がっていきます。
傷跡が赤く盛り上がるなどの症状が出てきた場合は、どちらにせよ早めの治療が必須となるため、まずはご相談ください。
麻酔方法
- 局所麻酔
- 麻酔テープ
- 麻酔クリーム
ダウンタイム・術後経過
ダウンタイム
※個人差があります。
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赤み
注入直後は注射の箇所に赤みが出ますが、数時間で改善します。
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内出血
起こらないこともありますが、起こってしまった場合、約1~2 週間で消失します。
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メイク
注入直後はパウダータイプのファンデーションは使用できます。翌日からは通常通り可能です。
治療後の経過
1.効 果
効果を実感頂くまで、1 ヶ月に1 回の治療を数回くり返すことがあります。
副作用
※ 皮膚が凹んでしまう
※ 皮膚表面の毛細血管が浮き出る
施術後に起こりうるトラブル
効果が物足りない ステロイドの効果には個人差があります。盛り上がりの改善効果がほとんど見られないことがあります。
- 喫煙について
- 喫煙は血液の循環を悪くする為、傷の治りが悪くなります。細菌がついて感染を引き起こす原因にもなります。 術前2 週間前~術後最低1 ヶ月は禁煙をお願い致します。
料金
※保険適用外の自由診療です。
ケナコルト(ステロイド)注射 | 1部位 ¥11,000 |
※価格は全て税込です。
ケナコルト(ステロイド)注射 傷跡修正のよくある質問
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何回くらい注射の必要がありますか?
傷跡の盛り上がりがなくなったら終了です。効果を実感頂くまで、2~3ヵ月に1回の治療を数回くり返すことがあります。
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どのくらいの痛みがありますか?
非常に細い針を使ってゆっくりとステロイドを注射していきますが、針を刺す痛みと、傷跡の中に薬を注入していく痛みがあります。針を刺す痛みは麻酔テープなどで軽くすることは可能です。注入時の痛みについては、傷跡が柔らかくなると注入の痛みも少なくなって来ます。
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副作用等はありませんか?
皮膚が凹んでしまうことがあります。皮膚表面の毛細血管が浮き出ることがあります。
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1回注射しただけでは効果は期待できませんか?
中には1、2回で効果が出る人もいれば出ない方もいらっしゃいます。この治療は、短期間の治療結果だけを見て効果が出ないとあきらめてしまう方が非常に多い治療です。あきらめずに根気よく続けることがポイントになります。