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鼻中隔延長術と曲がりの話
時々このような質問を受けます。
『鼻中隔延長すると鼻がどんどん曲がっていくと聞いたのですが本当ですか?』
ほとんどの噂話は大げさになるものですが、この噂も同様です。
とてもセンシティブな話なので正確に書きます。
もし内容をコピーする時は必ず一部ではなくこの文章全体をコピーしてください。
分かりやすいようにQ&A方式にします。
以下、全て当院の話です。結果や確率にはクリニックの方針や使用する材料、技術レベルによって異なることをご理解ください。
Q1 どんどん曲がりますか?
ほぼありません。ですが、PDSプレートを補助として使った一部、元々の鼻中隔の彎曲がシビアなケースでは術直後と比べて曲がり修正したことがあります。全体の1%位だと思います。
Q2 手術直後から曲がりますか?
元々鼻中隔が本当に真っ直ぐの方はかなり少なく、多くは左右どちらかに曲がっています。鼻が低いうちは目立ちませんが同じ角度で延長していくと曲がりが、というか鼻柱の傾きが目立ってきます。
元々鼻中隔が曲がっている患者さんが術後に完全に真っ直ぐになっているのは20%位であり、元よりは曲がって見えないがじっくり見るとわずかに曲がっていることが多いという報告もあります。
ある程度は曲がりを修正できるが、土台の曲がりが強いと曲がりは残ってしまうという結果でした。
このデータはかなり正確に計測されており、見た目では曲がっていなくても計測をして少しでも曲がっているものは曲がりありと分類されています。そして曲がりありと分析されたほとんど全てにどんどん曲がることはありませんでした。
Q3 元々の曲がりを知る方法はありますか?
眉間の中点、目と目の間の中点、鼻先、鼻柱の中点、上唇の中点、顎の中点(これは少し判断にコツがいります)を線で結びます。
このラインに対して鼻先がどの位ずれているずれているのかが1つのポイントです。
もうひとつはあおりの視点から計測するのですが、この方法は正確な写真技術と計測ソフトが必要になりますので控えます。
Q4 完全に真っ直ぐにできますか?
見た目上真っ直ぐにすることを常に心掛けていますが、コントロールできない場合もあります。
軟骨の形状と性状で決まるものなので手術前に予測しづらいところもあります。
顔の曲がりとは逆の方に曲がると目立ちますので、同じ方向になるように軟骨をを組み立てる必要があります。
Q5 曲がりの修正手術の割合はどのくらいですか?
私の場合は年に1人位です。つまり1%以下です。
延長する量が多ければ多いほどリスクが増えることを考えれば、かなり良い結果だと思います。
『鼻中隔延長すると鼻がどんどん曲がっていくと聞いたのですが本当ですか?』
という質問に対する答えです。